大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ラ)117号 決定

職権を以て調査するに、記録編綴の不動産仮処分調書並に点検中止調書によれば、本件仮処分の目的たる建物のうち北村元二郎の居住部分は仮処分債務者とは別に同人において独立の占有を有するものと認め、執行吏がこれを仮処分の執行より除外したことが明白である。従つてこの部分は執行吏の保管に移つたものでなく、後日右北村が本件建物より退去しても仮処分債権者(抗告人)の申立に基き更にこの部分につき執行処分の続行手続が為されたのでない限り、当然にこれが執行吏の保管に帰すべき謂れはない。

然らば右北村占有部分は本件仮処分執行の範囲外に属するのであるから、同人退去後伊藤元伸なる者がこれを占有するに至つたからとて、執行吏としてその排除処置を為さなければならぬ筋合でなく、執行吏にその責務あることを前提とする相手方の異議申立は失当であつて却下する外はない。以上と所見を異にする原決定は取消を免れない。よつて主文のとおり決定する。

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